ゴルフを始めたばかりの方から、「最初はどのクラブを練習すればいいですか?」と聞かれることがあります。
一般的には7番アイアンをすすめられることが多いですが、私は初心者が最初に練習する1本として、9番アイアンをおすすめします。
私はゴルフショップで10年間勤務し、キャディとしても3年間、多くのゴルファーを見てきました。
その経験から感じるのは、初心者にとって7番アイアンは少し長く、ボールをきれいに上げるのが難しいクラブだということです。
最初から難しいクラブを使い、ボールに当たらない、上がらない、右へ飛ぶというミスが続くと、「ゴルフは難しい」と感じてしまいます。
まずは短くて扱いやすい9番アイアンで、ボールが当たる、上がる、前へ飛ぶという成功体験を積むことが大切です。
この記事では、初心者に9番アイアンをおすすめする理由と、上達につながる練習方法を解説します。
初心者が最初に練習するなら9番アイアン
ゴルフクラブは、番手によって長さやロフト角が異なります。
アイアンだと、一番手で0.5インチ長さが変わるので約1.27センチ変わります
9番アイアンは7番アイアンよりも2.54センチ短いため、初心者でも構えやすく、クラブのフェースをボールに当てやすいのが特徴です。
また、ボールが上がりやすいため、正しく当たったときの感触と弾道を実感しやすくなります。
最初は飛距離を求めるよりも、何度も同じようにボールへ当てることが重要です。
9番アイアンで基本を覚えてから長いクラブへ進めば、無理なく練習の幅を広げられます。

7番アイアンが初心者には難しい理由
7番アイアンは、スイングの基本を覚えるクラブとしてよく使われています。
もちろん、ある程度ボールに当たる方にとっては、練習しやすいクラブです。
しかし、ゴルフを始めたばかりの方にとっては、9番アイアンよりも長いため、クラブを思いどおりに動かすのが難しくなります。
クラブが長くなるほど、体とボールの距離が遠くなり、スイング中のわずかなズレでもミスにつながります。
さらに、9番アイアンよりロフトが立っているため、初心者にはボールが上がりにくく感じられます。
ボールを上げようとして、手ですくい上げる動きが入ると、トップやダフリなどのミスも増えやすくなります。
7番アイアンを打てないから才能がないわけではありません。最初に使うクラブとして、少し難しかっただけです。
まずは9番アイアンで成功体験を積み、スイングに慣れてから7番アイアンへ進みましょう。
初心者に大切なのは成功体験
ゴルフを続けるために大切なのは、「ボールに当たった」「きれいに上がった」「狙った方向へ飛んだ」という成功体験です。
練習を始めたばかりの時期にナイスショットが一度でも出ると、もう一度同じ球を打ちたいという気持ちになります。
反対に、難しいクラブでミスばかり続くと、力が入り、スイングがさらに崩れることがあります。
9番アイアンなら、初心者でも比較的早くボールが上がる感覚をつかみやすくなります。
最初は飛距離が短くても問題ありません。
30ヤードでも50ヤードでも、狙った方向へボールが飛べば十分な成功です。
その成功を繰り返すことで、構え方や振り方が少しずつ身についていきます。
9番アイアンで身につく基本
9番アイアン1本でも、ゴルフに必要な多くの基本を練習できます。
・正しいグリップ
・アドレスの姿勢
・ボールとの距離
・小さな振り幅
・体を使ったスイング
・フェースに当てる感覚
・振り幅による距離の打ち分け
最初からフルスイングをする必要はありません。
小さな振り幅から始め、ボールに当たる回数が増えてから、少しずつスイングを大きくしていきましょう。
9番アイアンの基本的な構え方
まず、両足を肩幅より少し狭く開きます。
ボールの位置は、左右の足のほぼ中央を目安にしてください。
グリップは強く握りすぎず、腕と肩に余計な力が入らないようにします。
前傾姿勢を作るときは、背中を丸めるのではなく、股関節から上体を軽く倒します。
膝を少し曲げ、無理なくクラブが地面へ届く姿勢を作りましょう。
構えたときに窮屈に感じる場合はボールに近すぎ、手を伸ばさなければ届かない場合は遠すぎる可能性があります。
毎回同じ姿勢で構えることが、安定したショットへの第一歩です。
最初は腰から腰までの小さなスイング
初心者が最初に行いたいのは、腰から腰までの小さなスイングです。
時計の文字盤で例えるなら、クラブを9時から3時くらいまで動かすイメージです。
この練習では、ボールを遠くへ飛ばす必要はありません。
フェースの中央付近にボールを当て、前へ運ぶことを目標にしてください。
小さく振ると、クラブの動きとボールに当たる瞬間を感じやすくなります。
10球続けて打ち、半分程度が前へ飛べば順調です。
ミスが出ても、すぐに打ち方を大きく変えないようにしましょう。
同じ構え、同じ振り幅、同じ速さを意識して繰り返してください。

慣れたら肩から肩まで振る
小さなスイングでボールに当たるようになったら、肩から肩まで振り幅を広げます。
バックスイングで左肩を軽く回し、フィニッシュでは胸を目標方向へ向ける意識を持ちましょう。
腕だけでクラブを持ち上げるのではなく、体の回転と一緒にクラブを動かします。
この段階でも、全力で振る必要はありません。
力は6割から7割程度で十分です。
強く振るよりも、同じリズムで振ることを優先してください。
ボールが自然に上がれば、無理にすくい上げる動きは必要ありません。
初心者向け9番アイアンの練習メニュー
練習場では、ただ球数を打つのではなく、目的を分けると上達しやすくなります。
準備運動と素振り
最初の5分は、肩、腰、股関節を軽く動かします。
9番アイアンを持ち、ボールを打たずに小さな素振りを行いましょう。
腰から腰までの練習
最初の20球は、腰から腰までの振り幅で打ちます。
飛距離よりも、ボールが前へ飛ぶことを優先します。
肩から肩までの練習
次の20球は、肩から肩まで振ります。
力まず、一定のリズムで振ることを意識してください。
目標を決める練習
次の20球は、練習場にある看板やグリーンなど、具体的な目標を決めて打ちます。
目標にぴったり届かなくても、左右の大きな曲がりが減れば十分です。
距離を変える練習
最後の10球は、振り幅を変えて距離を打ち分けます。
小さなスイング、中くらいのスイング、大きめのスイングを順番に行いましょう。
合計70球程度でも、1球ずつ目的を持って練習すれば充実した内容になります。
初心者が避けたい練習方法
初心者が9番アイアンを練習するときは、次の点に注意してください。
・最初から全力で振る
・ボールを無理に上げようとする
・ミスのたびに構え方を変える
・休まずに何球も続けて打つ
・飛距離だけで良し悪しを判断する
9番アイアンは、正しく当たればクラブのロフトによって自然にボールが上がります。
自分でボールを持ち上げようとせず、クラブを振った途中にボールがあるイメージを持ちましょう。
また、疲れると構え方やリズムが崩れます。
10球から15球ごとに一度クラブを置き、構え方を確認するのがおすすめです。
いつから長いクラブを練習する?
9番アイアンでボールに当たる回数が増え、同じ方向へ飛ばせるようになったら、少しずつ長いクラブへ進みます。
次は8番アイアン、その次に7番アイアンというように、長さを段階的に変えると取り組みやすくなります。
いきなりドライバーへ進むのではなく、1本ずつ長さの違いに慣れていきましょう。
目安として、9番アイアンで10球のうち6球から7球程度が前へ飛び、大きなミスが減ってきたら、次のクラブを試して構いません。
ただし、毎回同じ結果を出す必要はありません。
長いクラブが難しく感じたら、9番アイアンへ戻ってスイングのリズムを整えましょう。
9番アイアンは、練習中に迷ったときの基準となるクラブにもなります。
最初からクラブをすべてそろえる必要はない
ゴルフを始めるからといって、すぐに14本すべてをそろえる必要はありません。
まずは9番アイアンで練習を始め、自分がゴルフを続けたいと思ってから必要なクラブを増やす方法でも大丈夫です。
初ラウンドに必要な本数を知りたい方は、「初ラウンドにクラブは何本必要?初心者向け最低本数をゴルフショップ勤務10年の経験から解説」も参考にしてください。
新品にこだわらず、状態の良い中古クラブから始める方法もあります。
費用を抑えてクラブをそろえたい方は、「ゴルフ初心者は新品クラブを買わなくてもいい?中古から始めるメリットと注意点」もあわせてご覧ください。
まとめ
ゴルフ初心者が最初に練習する1本として、私は9番アイアンをおすすめします。
7番アイアンは初心者には少し長く、ボールも上がりにくいため、最初のクラブとして難しく感じることがあります。
まずは短くて扱いやすい9番アイアンで、ボールに当たる、上がる、前へ飛ぶという成功体験を積みましょう。
小さな振り幅から始め、慣れてきたら徐々にスイングを大きくします。
9番アイアンで自信がついてから8番アイアン、7番アイアンと進めば、無理なく長いクラブへ慣れていけます。
最初から完璧を目指す必要はありません。
一つずつ成功を重ねながら、ゴルフの楽しさを感じていきましょう。


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